エピルビシン塩酸塩の投与時間短縮およびフラッシュの追加による静脈炎の予防効果の改善

「緒言」 フルオロウラシル・エピルビシン塩酸塩・シクロホスファミド併用(FEC)療法などのアンスラサイクリン系薬剤を含む化学療法は, 乳がんの術後化学療法として, 良好な成績が報告されている1). また, FEC療法は, 乳がんの術前化学療法として施行した際に, 乳房温存術の施行率が向上することが報告されている2). FEC療法による有害反応としては, 高度の悪心・嘔吐, 心毒性などがあり, 適切な支持療法の実施や化学療法後のモニタリングを行い, 予防, 早期発見に努める必要がある3). 一方で, エピルビシン塩酸塩(epirubicin:EPI)に特徴的な有害反応として, 経静脈投与時の静脈...

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Published in医療薬学 Vol. 39; no. 11; pp. 644 - 649
Main Authors 古河, 浩之, 原, 祐輔, 大川, 浩子, 菅, 幸生, 井口, 雅史, 崔, 吉道, 磯田, 和也, 西上, 潤, 竹田, 和喜, 宮本, 謙一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.11.2013
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.39.644

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Summary:「緒言」 フルオロウラシル・エピルビシン塩酸塩・シクロホスファミド併用(FEC)療法などのアンスラサイクリン系薬剤を含む化学療法は, 乳がんの術後化学療法として, 良好な成績が報告されている1). また, FEC療法は, 乳がんの術前化学療法として施行した際に, 乳房温存術の施行率が向上することが報告されている2). FEC療法による有害反応としては, 高度の悪心・嘔吐, 心毒性などがあり, 適切な支持療法の実施や化学療法後のモニタリングを行い, 予防, 早期発見に努める必要がある3). 一方で, エピルビシン塩酸塩(epirubicin:EPI)に特徴的な有害反応として, 経静脈投与時の静脈炎がある. これは, 生命を脅かす重篤な有害反応ではないが, FEC療法中の患者のquality of life(QOL)を損なうこともあり, 治療を継続する際の大きな問題となることがある4).
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.39.644