血小板第4因子のエンザイムイムノアッセイによる測定法の開発と血小板特異性
緒言 血小板第4因子(以下, PF4)はβ-トロンボグロプリン(以下, β-TG)などと共に血小板の凝集時に, 血漿中に放出される熱に安定な蛋白である1)~3). その際には, プロテオグリカン・キャリアーと複合体を形成して放出されると報告されている4). PF4は4個の等しいサブユニットからなる蛋白でその分子量は約3万である4)5). またPF4の70個からなるアミノ酸の一次構造は, β-TGと類似していることが知られている6)~10). 最近, 骨髄の巨核球での生合成が証明されている11). PF4はヘパリンと強く結合することが知られており12)13), この性質を利用したヘパリン-セファ...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 30; no. 1; pp. 9 - 13 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
1984
日本輸血学会 |
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ISSN | 0546-1448 1883-8383 |
DOI | 10.3925/jjtc1958.30.9 |
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Summary: | 緒言 血小板第4因子(以下, PF4)はβ-トロンボグロプリン(以下, β-TG)などと共に血小板の凝集時に, 血漿中に放出される熱に安定な蛋白である1)~3). その際には, プロテオグリカン・キャリアーと複合体を形成して放出されると報告されている4). PF4は4個の等しいサブユニットからなる蛋白でその分子量は約3万である4)5). またPF4の70個からなるアミノ酸の一次構造は, β-TGと類似していることが知られている6)~10). 最近, 骨髄の巨核球での生合成が証明されている11). PF4はヘパリンと強く結合することが知られており12)13), この性質を利用したヘパリン-セファロース・アフィニティクロマトグラフィーの発達により, 抗原蛋白としての精製が容易になった. このため現在までに数多くのラジオイムノアッセイが報告されており5)14)~18), in vivoにおける血小板の凝集や放出反応のマーカー蛋白として利用されている. PF4のラジオイムノアッセイはわが国でもキットとして発売されているが, ^^125 Iの半減期が短いことから長く貯蔵出来ないなどの欠点がある. 我々は高感度で特異的なPF4のサンドイッチ式エンザイムイムノアッセイの開発を試みた. この蛋白の血小板局在性, そして濃縮血小板血漿の血漿中の含量について検討した. |
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ISSN: | 0546-1448 1883-8383 |
DOI: | 10.3925/jjtc1958.30.9 |