これからの術後鎮痛─硬膜外麻酔のエビデンスを中心に
硬膜外麻酔を全身麻酔に併用する利点は,単に術中の管理を容易にし,術後鎮痛にも利用できる,ということだけではない.外科侵襲によって生体に生じるさまざまな有害な反応およびそれに基づく術後合併症を,硬膜外麻酔の鎮痛作用と交感神経の遮断作用で抑制することの効果についても,多くのエビデンスが示されている.近年,抗凝固薬を使用するなど硬膜外麻酔を併用できない症例が増加しているが,末梢神経ブロックなど代替となる鎮痛法の選択肢が増えたため,硬膜外麻酔でも十分質の高い管理が可能になってはきている.しかし術後合併症の予防効果など硬膜外麻酔でしか得られないものもあり,今後も適応があれば積極的に利用すべきである....
Saved in:
Published in | 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 31; no. 1; pp. 134 - 140 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床麻酔学会
2011
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0285-4945 1349-9149 |
DOI | 10.2199/jjsca.31.134 |
Cover
Summary: | 硬膜外麻酔を全身麻酔に併用する利点は,単に術中の管理を容易にし,術後鎮痛にも利用できる,ということだけではない.外科侵襲によって生体に生じるさまざまな有害な反応およびそれに基づく術後合併症を,硬膜外麻酔の鎮痛作用と交感神経の遮断作用で抑制することの効果についても,多くのエビデンスが示されている.近年,抗凝固薬を使用するなど硬膜外麻酔を併用できない症例が増加しているが,末梢神経ブロックなど代替となる鎮痛法の選択肢が増えたため,硬膜外麻酔でも十分質の高い管理が可能になってはきている.しかし術後合併症の予防効果など硬膜外麻酔でしか得られないものもあり,今後も適応があれば積極的に利用すべきである. |
---|---|
ISSN: | 0285-4945 1349-9149 |
DOI: | 10.2199/jjsca.31.134 |