ビデオ会議システムを利用した遠隔医療の試み:telestroke の基礎と実際

要旨:tPA 静注療法の実施には著しい地域格差があることが知られているが,海外では1990 年代からtelestroke によってこれを克服しようとする試みが始まり,すでに実用段階に達している.Telestrokeでは,支援を行う専門医がtPA 静注に必要な全ての患者情報を正確に取得できること,静注後の管理が適切に行われることが保障されなければならない.Geographic information system 解析を用いた検討では,drip and ship 型よりもdrip and keep 型支援の効果が大きいことが明らかとなった.Telestroke の実施は,現状の通信網とテレビ会議...

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Published in脳卒中 Vol. 36; no. 3; pp. 206 - 209
Main Author 長谷川, 泰弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2014
日本脳卒中学会
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Summary:要旨:tPA 静注療法の実施には著しい地域格差があることが知られているが,海外では1990 年代からtelestroke によってこれを克服しようとする試みが始まり,すでに実用段階に達している.Telestrokeでは,支援を行う専門医がtPA 静注に必要な全ての患者情報を正確に取得できること,静注後の管理が適切に行われることが保障されなければならない.Geographic information system 解析を用いた検討では,drip and ship 型よりもdrip and keep 型支援の効果が大きいことが明らかとなった.Telestroke の実施は,現状の通信網とテレビ会議用機器だけで直ちに開始可能な状況にあるが,救急医療体制の再構築,ガイドラインの作成,費用/便益分析,費用/ 効果分析,教育システムの整備,認証方法の確立,診療報酬設定や法改正等,解決すべき課題も多く早急な対応が望まれる.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.36.206