破裂椎骨動脈解離性動脈瘤のproximal clipping後, 再出血をきたした1例

「はじめに」椎骨動脈の解離性動脈瘤 (VA-DA) は最近その報告が増加している. 発症形式もクモ膜下出血 (SAH) と脳虚血症状とに分かれ, 前者で発症した場合の治療法の主体はproximal clippingだが, trappingや最近ではballoonによるVA-occlusionなど症例により異なっている. しかしこれら治療法の術後合併症として, trappingでは下位脳神経障害をはじめ脳虚血症状が, 一方proximal clippingではまれではあるが, VA-DAからの再出血例が報告されている. われわれは最近SAHで発症したVA-DAに対してproximal clipp...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 24; no. 3; pp. 210 - 214
Main Authors 青木, 秀暢, 堀, 智勝, 足立, 茂, 滝川, 晴夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 30.05.1996
日本脳卒中の外科研究会
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Summary:「はじめに」椎骨動脈の解離性動脈瘤 (VA-DA) は最近その報告が増加している. 発症形式もクモ膜下出血 (SAH) と脳虚血症状とに分かれ, 前者で発症した場合の治療法の主体はproximal clippingだが, trappingや最近ではballoonによるVA-occlusionなど症例により異なっている. しかしこれら治療法の術後合併症として, trappingでは下位脳神経障害をはじめ脳虚血症状が, 一方proximal clippingではまれではあるが, VA-DAからの再出血例が報告されている. われわれは最近SAHで発症したVA-DAに対してproximal clippingを行い, 4時間後に再出血した1例を経験したので, これを報告すると共に, 特にSAH例のproximal clipping後の再出血の問題について, 考察を加えたい.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.24.3_210