術後疼痛におけるフェンタニル IV-PCA の有用性

「緒言」 術後に疼痛が持続すれば合併症の拡大や, ADL(activities of daily living)回復の妨げにもなるため, 術後の患者に対し疼痛管理を十分に行うことは非常に重要なことである. クエン酸フェンタニル(フェンタニル(R)(第一三共(株)):以下, フェンタニルと略す)はμ1受容体への選択的作用により, 腸管に対する影響が少なく術後に用いる薬剤として有効であり, 2004年2月には術後疼痛に対する適応が追加され, 現在ではさまざまな施設においてフェンタニルを用いたintravenous patient-controlled analgesia(IV-PCA)による疼痛管...

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Published in医療薬学 Vol. 35; no. 7; pp. 495 - 500
Main Authors 千葉, 幹夫, 遠藤, 善裕, 森井, 博朗, 山路, 昭, 織田, 梨恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2009
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.35.495

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Summary:「緒言」 術後に疼痛が持続すれば合併症の拡大や, ADL(activities of daily living)回復の妨げにもなるため, 術後の患者に対し疼痛管理を十分に行うことは非常に重要なことである. クエン酸フェンタニル(フェンタニル(R)(第一三共(株)):以下, フェンタニルと略す)はμ1受容体への選択的作用により, 腸管に対する影響が少なく術後に用いる薬剤として有効であり, 2004年2月には術後疼痛に対する適応が追加され, 現在ではさまざまな施設においてフェンタニルを用いたintravenous patient-controlled analgesia(IV-PCA)による疼痛管理が行われている. 滋賀医科大学(以下, 当院と略す)において, 消化器外科病棟で使用されるIV-PCAは, 病棟および薬剤部にて調製を行っている. IV-PCAはこれまで使用されてきた硬膜外鎮痛法とは異なり, 投与経路の確保が容易であり, 侵襲が少なくなるだけでなく, 患者が自身の判断によってフェンタニルの投与量を調節することが可能となり, 患者の要求に応じた術後疼痛管理が行える.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.35.495