脳動脈瘤手術への頭蓋底手術の応用

「はじめに」 脳動脈瘤に対する基本的な手術到達法は, その発生部位により, 各々ほぼ確立されている. その基本概念は, 少ない脳の圧排で, 十分な顕微鏡術野が得られ, 様々の手術操作が安全, 容易に行えることにある. しかし, 動脈瘤の頭蓋底よりの高さ, 発育の方向などから手術が困難な例も少なくはない. 一方, 近年の頭蓋底部の腫瘍性病変を対象とした頭蓋底外科の飛躍的進歩は, 腫瘍性病変のみならず, 多くの疾患を対象とした様々の脳神経外科手術法に多くの応用の余地を与えた. 特に脳動脈瘤は, 多くは頭蓋底部のWillis動脈輪に好発するのであり, この手術における頭蓋底外科の技術的応用は極めて重...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 23; no. 5; pp. 375 - 381
Main Authors 伊東, 洋, 御子柴, 雅彦, 斉藤, 文男, 秋本, 治朗, 原岡, 襄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 25.09.1995
日本脳卒中の外科研究会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs1987.23.5_375

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Summary:「はじめに」 脳動脈瘤に対する基本的な手術到達法は, その発生部位により, 各々ほぼ確立されている. その基本概念は, 少ない脳の圧排で, 十分な顕微鏡術野が得られ, 様々の手術操作が安全, 容易に行えることにある. しかし, 動脈瘤の頭蓋底よりの高さ, 発育の方向などから手術が困難な例も少なくはない. 一方, 近年の頭蓋底部の腫瘍性病変を対象とした頭蓋底外科の飛躍的進歩は, 腫瘍性病変のみならず, 多くの疾患を対象とした様々の脳神経外科手術法に多くの応用の余地を与えた. 特に脳動脈瘤は, 多くは頭蓋底部のWillis動脈輪に好発するのであり, この手術における頭蓋底外科の技術的応用は極めて重要と考えられ, 多くの報告も散見される. 著者らも頭蓋底腫瘍に対するわずかの手術経験から, 脳動脈瘤手術に頭蓋底手術を応用した結果, 従来にも増して良好な成績を得たので報告する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.23.5_375