徳島大学病院における脳卒中救急システムの進化
要旨:【目的】徳島大学病院では1999 年から脳卒中ケアユニット(SCU)を立ち上げ脳卒中救急医療の確立と改善に努めており,その意義と効果について述べる.【方法】当施設でのSCU 運用の理念と試みは以下に要約される.(1)脳神経外科・神経内科・放射線科・救急集中治療部など各科の医師およびSCU 専任の看護スタッフや多種のコメディカルスタッフが協力して,脳卒中救急に対し24 時間断らないチーム医療を実践する.(2)脳卒中急性期の画像診断は,くも膜下出血例を除き3 テスラMRI(DWI, T2*, MRA)first とし,脳卒中の病型診断や治療方針を即座に決定する.(3)脳虚血救急では,rt-P...
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Published in | 脳卒中 Vol. 36; no. 3; pp. 223 - 229 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2014
日本脳卒中学会 |
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Summary: | 要旨:【目的】徳島大学病院では1999 年から脳卒中ケアユニット(SCU)を立ち上げ脳卒中救急医療の確立と改善に努めており,その意義と効果について述べる.【方法】当施設でのSCU 運用の理念と試みは以下に要約される.(1)脳神経外科・神経内科・放射線科・救急集中治療部など各科の医師およびSCU 専任の看護スタッフや多種のコメディカルスタッフが協力して,脳卒中救急に対し24 時間断らないチーム医療を実践する.(2)脳卒中急性期の画像診断は,くも膜下出血例を除き3 テスラMRI(DWI, T2*, MRA)first とし,脳卒中の病型診断や治療方針を即座に決定する.(3)脳虚血救急では,rt-PA 治療適応例には迅速に治療開始し,rt-PA 非適応例やrt-PA 治療無効例においても主幹動脈閉塞によるペナンブラが存在する場合には機械的血栓破砕やステント,バイパスなどの血行再建治療を試みる.(4)2012 年からSCU にスマートフォンとインターネットを用いた脳卒中救急画像転送システム(i-Stroke)を導入し,SCU スタッフ間での情報の共有化と治療方針の適正化を実践した.(5)SCU の9床を1〜2 週で回転し,必ず空床を置き救急を断らないためにベッドコントロールと地域連携を徹底し促進した.【結果】1999 年の開設から2013 年10 月31 日までの脳卒中救急搬送例は3452 例,rt-PA治療は131 例であった.脳梗塞救急例の20%に何らかの血行再建治療,10.6%にrt-PA 治療を行った.SCU が軌道に乗った2008 年以降の実施率は平均12.8%であった.【結論】これらの活動は,地域における脳卒中医療レベルの向上,回復期リハビリ施設の増加と連携の強化,病院診療報酬の増加を促進し,若手医師や学生の脳卒中教育にも大きく貢献している.今後の課題は,県内医療過疎地域の脳卒中救急医療の対策と確立である. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.36.223 |