Pure motor strokeで発症した頭蓋内内頚動脈解離の1例
症状が階段状に進行した頭蓋内内頚動脈解離の1例を経験したので報告する. 症例は43歳女性である. 左片麻痺にて, 発症12時間後に来院した. pure motor paresisと, 頭部CT上右内包に小梗塞巣を認め, ラクナ梗塞と診断して抗血小板剤, 脳保護薬を開始した. 第3病日には右前頭葉領域に新たな梗塞巣が出現した. DSAにて右内頚動脈Carotid artery (以下C) 1-2の解離を認めたため, 抗凝固療法を開始した. 第11病日に意識レベルがJCS2に, 頭部CTでは中大脳動脈領域へ梗塞巣が拡大した. 第20病日の3D CTAにて右内頚動脈遠位部の閉塞が確認され, 第24病...
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Published in | 脳卒中 Vol. 29; no. 1; pp. 54 - 58 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2007
日本脳卒中学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.29.54 |
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Summary: | 症状が階段状に進行した頭蓋内内頚動脈解離の1例を経験したので報告する. 症例は43歳女性である. 左片麻痺にて, 発症12時間後に来院した. pure motor paresisと, 頭部CT上右内包に小梗塞巣を認め, ラクナ梗塞と診断して抗血小板剤, 脳保護薬を開始した. 第3病日には右前頭葉領域に新たな梗塞巣が出現した. DSAにて右内頚動脈Carotid artery (以下C) 1-2の解離を認めたため, 抗凝固療法を開始した. 第11病日に意識レベルがJCS2に, 頭部CTでは中大脳動脈領域へ梗塞巣が拡大した. 第20病日の3D CTAにて右内頚動脈遠位部の閉塞が確認され, 第24病日に突然意識レベルがJCS100に低下し瞳孔不同を認め, 外減圧術を施行した. 第108病日のDSAにて右内頚動脈は再開通しており, 意識レベルJCS1, 左完全片麻痺にてリハビリ病院へ転院した. 頭蓋内内頚動脈解離は稀であり, 治療法についても議論の余地があるところである. 文献的な考察を加え報告する. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.29.54 |