病棟薬剤師の配置展開が処方提案および相談応需に与える効果
「緒言」近年, 薬物治療の高度化や高齢化の進行, 地域医療の推進などを背景に, 薬剤師に求められる役割や責任がより大きくなり, 業務内容も主体的, 能動的なものへと拡大しつつある. 2010年4月30日に発出された厚生労働省医政局通知「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」では, “チーム医療において薬剤の専門家である薬剤師が主体的に薬物療法に参加することが非常に有益である”と明記され, 医師への積極的な処方提案などが求められている. 2012年度の診療報酬改訂では, 医療安全の推進や医療の質の向上等を目的として「病棟薬剤業務実施加算」が新設され, 処方設計や処方提案といった...
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Published in | 医療薬学 Vol. 42; no. 10; pp. 694 - 700 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
10.10.2016
日本医療薬学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.42.694 |
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Summary: | 「緒言」近年, 薬物治療の高度化や高齢化の進行, 地域医療の推進などを背景に, 薬剤師に求められる役割や責任がより大きくなり, 業務内容も主体的, 能動的なものへと拡大しつつある. 2010年4月30日に発出された厚生労働省医政局通知「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」では, “チーム医療において薬剤の専門家である薬剤師が主体的に薬物療法に参加することが非常に有益である”と明記され, 医師への積極的な処方提案などが求められている. 2012年度の診療報酬改訂では, 医療安全の推進や医療の質の向上等を目的として「病棟薬剤業務実施加算」が新設され, 処方設計や処方提案といった医師の処方前の段階にかかわる業務が評価されている. これらの薬学的介入がもたらす薬物治療の適正化や患者quality of life(QOL)の向上は, 病棟薬剤業務における重要なアウトカムと考えられる. 薬剤師の病棟配置による有用性については, 複数の施設から報告されている. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.42.694 |