EUS-FNAにより術前確定診断が得られた無症候性膵グルカゴノーマの1切除例
症例は80歳男性.近医で軽度の肝機能異常を指摘され,腹部超音波検査を受けたところ膵体部に20mm大の内部エコー均一な低エコー腫瘤を指摘され当院に精査入院.造影CTでは,膵体部に動脈相で造影効果に乏しく,門脈相で腫瘍辺縁部に軽度の造影効果を示す20mm大の腫瘍を認め,FDG-PETでは,SUV 3.3と軽度の集積を認めた.内分泌腫瘍を疑い血中膵ホルモンを測定するとグルカゴンが610pg/ml と上昇していた.確定診断のためにEUS-FNABを施行した.組織所見では内分泌腫瘍と考えられ,免疫染色でグルカゴン陽性であった.無症候性グルカゴノーマの診断で,腹腔鏡補助下に脾合併膵体尾部切除を行った.切除...
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Published in | 膵臓 Vol. 25; no. 5; pp. 599 - 605 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本膵臓学会
2010
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Subjects | |
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Summary: | 症例は80歳男性.近医で軽度の肝機能異常を指摘され,腹部超音波検査を受けたところ膵体部に20mm大の内部エコー均一な低エコー腫瘤を指摘され当院に精査入院.造影CTでは,膵体部に動脈相で造影効果に乏しく,門脈相で腫瘍辺縁部に軽度の造影効果を示す20mm大の腫瘍を認め,FDG-PETでは,SUV 3.3と軽度の集積を認めた.内分泌腫瘍を疑い血中膵ホルモンを測定するとグルカゴンが610pg/ml と上昇していた.確定診断のためにEUS-FNABを施行した.組織所見では内分泌腫瘍と考えられ,免疫染色でグルカゴン陽性であった.無症候性グルカゴノーマの診断で,腹腔鏡補助下に脾合併膵体尾部切除を行った.切除標本では,25mm大の白色調腫瘍を認め,免疫染色でグルカゴン陽性であり,また脾動脈周囲リンパ節転移を認め,well differentiated endocrine carcinoma(glucagonoma)と診断された.術後3年の現在再発無く元気である. |
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ISSN: | 0913-0071 1881-2805 |
DOI: | 10.2958/suizo.25.599 |