肝硬変患者に対する標準ケア計画の構築と臨床評価
社会の高齢化や医療の複雑化が進む中でチーム医療が定着し, 薬剤師は臨床現場へと進出し, 薬物療法の適正化への役割, 患者への効率的な薬物療法の提供, 有害事象の未然防止などを担っている1-3). ファーマシューティカルケア実践を目的とした標準ケア計画は業務効率の向上, 質の確保, 臨床薬剤師教育に貢献しているとされている4). しかし, 業務の質や効率の視点から薬剤管理指導業務は薬剤師個々の能力に依存する傾向が強く, 薬剤管理指導業務全般を行うための系統的でかつ標準的にまとめられた指針と呼ばれるものは一部の疾患において認められる51が, 完全ではない. 春日井市民病院ではPOS(Problem...
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Published in | 医療薬学 Vol. 32; no. 2; pp. 110 - 117 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
2006
日本医療薬学会 |
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Summary: | 社会の高齢化や医療の複雑化が進む中でチーム医療が定着し, 薬剤師は臨床現場へと進出し, 薬物療法の適正化への役割, 患者への効率的な薬物療法の提供, 有害事象の未然防止などを担っている1-3). ファーマシューティカルケア実践を目的とした標準ケア計画は業務効率の向上, 質の確保, 臨床薬剤師教育に貢献しているとされている4). しかし, 業務の質や効率の視点から薬剤管理指導業務は薬剤師個々の能力に依存する傾向が強く, 薬剤管理指導業務全般を行うための系統的でかつ標準的にまとめられた指針と呼ばれるものは一部の疾患において認められる51が, 完全ではない. 春日井市民病院ではPOS(Problem Oriented System)を導入し, 標準ケア計画を利用して薬剤管理指導業務を行っているが, 今回, 新たに系統化および標準化を目指して, 薬学的管理手法を取り入れて肝硬変患者の標準ケア計画ならびに重要事項をまとめたチェックリストを作成し, その導入を試みた. これらを利用して薬学的問題点の抽出および薬剤師の介入を行い, 臨床における評価について検討した. 以下にその結果を報告する. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.32.110 |