Superior hypophyseal artery aneurysm の3例

• Published in: 脳卒中の外科 Vol. 21; no. 4; pp. 287 - 289
• Main Authors: 小笠原, 邦昭, 甲州, 啓二, 藤原, 悟, 溝井, 和夫
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 1993; 日本脳卒中の外科研究会
• ISSN: 0914-5508; 1880-4683
• DOI: 10.2335/scs1987.21.4_287

「はじめに」頭蓋内内頸動脈の眼動脈分岐部位から後交通動脈分岐部位までの領域はophthalmic segmentと呼ばれており, この領域に発生する動脈瘤, いわゆるventral paraclinoid carotid aneurysmはその起始部に明らかな血管の分枝が認められないことが特徴とされている. 今回われわれはophthalmic segmentの内下方向きの動脈瘤を3例経験し, いずれも術中, 上下垂体動脈の起始部に発生した動脈瘤(superior hypophyseal artery aneurysm)であることを確認したので報告するとともにその手術法について若干の考察を加える. 「症例」<症例1>62歳, 女性. 高血圧症にて数年来, 降圧剤を服薬していた. クモ膜下出血で発症し, 発症当日に当科に入院した. 脳血管撮影では, 左内頸動脈のophthalmic segmentに, 前後像で内向き, 側面像で眼動脈とは反対側の後下方に向く動脈瘤を認めた.