内頸動脈のいわゆるdorsal aneurysm, carotid cave aneurysm等の名称と分類に関する考察

「はじめに」信州大学の小林教授一門の, 前床突起近傍内頸動脈動脈瘤についてのすぐれた業績は, 従来報告されることの比較的少なかったこの部位の動脈瘤の手術に脚光を浴びせた点において大いに称賛されるべきである. ただし動脈瘤の部位の命名dorsal wall (aneurysm), carotid cave (aneurysm) 等については異論や混乱があることは否めない. たとえばPiaはその内頸動脈瘤の分類においてventralという言葉をNakagawaらのdorsalの意味に用いており, dorsalという言葉はNutikのventralの意味に用いている. こうした混乱を避けるべく, 用...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 24; no. 5; pp. 333 - 339
Main Author 佐野, 圭司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 30.09.1996
日本脳卒中の外科研究会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs1987.24.5_333

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Summary:「はじめに」信州大学の小林教授一門の, 前床突起近傍内頸動脈動脈瘤についてのすぐれた業績は, 従来報告されることの比較的少なかったこの部位の動脈瘤の手術に脚光を浴びせた点において大いに称賛されるべきである. ただし動脈瘤の部位の命名dorsal wall (aneurysm), carotid cave (aneurysm) 等については異論や混乱があることは否めない. たとえばPiaはその内頸動脈瘤の分類においてventralという言葉をNakagawaらのdorsalの意味に用いており, dorsalという言葉はNutikのventralの意味に用いている. こうした混乱を避けるべく, 用語の語源にさかのぼって, これらの名称に関する私見を述べる.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.24.5_333