食品用粘度調整剤と嚥下補助剤の薬物動態への影響

「緒言」 近年, 生活習慣の多様化やADL (activities of daily living)低下患者への対応を目的にバリアフリー製剤の開発が盛んになっている1,2). 例えば, 水なしで服用可能な口腔内速崩壊錠3,4), ゼリー製剤等の新剤形が数多く開発されるようになった5). しかしながら, これらの製品化率および普及率は未だ低く, すべての内用薬処方を新剤形のみに置き換えることは出来ない. そのため, ADLの程度によっては指示通りの使用ができないばかりか, 誤嚥性肺炎や薬剤性潰瘍等, 医薬品自体が疾患の原因となるケースが多数報告されている6-15). このような背景の中, 医薬品...

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Published in医療薬学 Vol. 37; no. 1; pp. 13 - 19
Main Authors 森田, 俊博, 大坪, 健司, 高根, 浩, 家入, 一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2011
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.37.13

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Summary:「緒言」 近年, 生活習慣の多様化やADL (activities of daily living)低下患者への対応を目的にバリアフリー製剤の開発が盛んになっている1,2). 例えば, 水なしで服用可能な口腔内速崩壊錠3,4), ゼリー製剤等の新剤形が数多く開発されるようになった5). しかしながら, これらの製品化率および普及率は未だ低く, すべての内用薬処方を新剤形のみに置き換えることは出来ない. そのため, ADLの程度によっては指示通りの使用ができないばかりか, 誤嚥性肺炎や薬剤性潰瘍等, 医薬品自体が疾患の原因となるケースが多数報告されている6-15). このような背景の中, 医薬品の服用性を改善し, 患者のQOL (quality of life)を上げる目的で, 嚥下障害者の摂食介助用トロミ調整剤(食品用粘度調整剤)が多くの介護施設や医療機関で利用されている6,16-19). また, 最近は服薬専用に開発された服薬補助ゼリーも市販されるようになった.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.37.13