クモ膜下出血急性期における破裂脳動脈瘤再出血例の検討

「はじめに」近年, 破裂脳動脈瘤に対しては急性期手術が広く行われている. 当センターでも, 急性期クモ膜下出血患者に対して可及的早期に診断確定のために脳血管撮影と根治術を施行している. しかし, まれに手術施行前に再出血をきたし, それが予後を悪化させる因子となることがある. そこで今回われわれは破裂脳動脈瘤によるクモ膜下出血急性期の再破裂例の臨床的特徴について検討した. 「対象・方法」1981年1月から1994年12月までに発症6時間以内に搬入されたクモ膜下出血患者396例を対象とし, そのうち搬入後から根治術開始までに再出血をきたした51例 (12.9%) につき, 年齢・性別・動脈瘤の部...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 24; no. 5; pp. 352 - 356
Main Authors 笹口, 修男, 川村, 伸悟, 松本, 亮司, 西村, 真実, 鈴木, 明文, 安井, 信之, 波出石, 弘, 三平, 剛志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 30.09.1996
日本脳卒中の外科研究会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs1987.24.5_352

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Summary:「はじめに」近年, 破裂脳動脈瘤に対しては急性期手術が広く行われている. 当センターでも, 急性期クモ膜下出血患者に対して可及的早期に診断確定のために脳血管撮影と根治術を施行している. しかし, まれに手術施行前に再出血をきたし, それが予後を悪化させる因子となることがある. そこで今回われわれは破裂脳動脈瘤によるクモ膜下出血急性期の再破裂例の臨床的特徴について検討した. 「対象・方法」1981年1月から1994年12月までに発症6時間以内に搬入されたクモ膜下出血患者396例を対象とし, そのうち搬入後から根治術開始までに再出血をきたした51例 (12.9%) につき, 年齢・性別・動脈瘤の部位・再破裂の時期・再破裂前の血圧・再破裂前後の重症度変化・転帰に関して検討した. 51症例の年齢は, 36~80歳 (平均60.7歳) であり, 男性22例, 女性29例であった.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.24.5_352