ストークス式による予測沈降時間から考慮される市販注射薬のガラス片混入の危険性
「緒言」 アンプルカット時に発生するガラス片などの不溶性異物が, 血管内に入ると血栓症などの致命的な症状を起しかねない. 実際, ガラスアンプル注射製剤を用いた高カロリー輸液および末梢輸液調製時にガラス片が混入した事例が多数報告されている. 1, 2) このため高カロリー輸液や末梢輸液製剤などへガラスアンプル注射製剤を注入する際には, フィルターを用いないとガラスアンプル由来のガラス片が混入する危険性が高まる. 3-5) 倉本6)は, これらの不溶性異物などの危険性を防ぐため, 中心静脈栄養液調製時においては, 0.22μmのフィルターを使用することが必要であると報告している. しかし, 乳剤...
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Published in | 医療薬学 Vol. 39; no. 10; pp. 581 - 586 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
10.10.2013
日本医療薬学会 |
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ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.39.581 |
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Summary: | 「緒言」 アンプルカット時に発生するガラス片などの不溶性異物が, 血管内に入ると血栓症などの致命的な症状を起しかねない. 実際, ガラスアンプル注射製剤を用いた高カロリー輸液および末梢輸液調製時にガラス片が混入した事例が多数報告されている. 1, 2) このため高カロリー輸液や末梢輸液製剤などへガラスアンプル注射製剤を注入する際には, フィルターを用いないとガラスアンプル由来のガラス片が混入する危険性が高まる. 3-5) 倉本6)は, これらの不溶性異物などの危険性を防ぐため, 中心静脈栄養液調製時においては, 0.22μmのフィルターを使用することが必要であると報告している. しかし, 乳剤性製剤などはフィルターを通過し難いため, ろ過の際には粒子径を考慮する必要がある. さらに, フィルターへの吸着7-10)や薬剤によるフィルターの変性, 11, 12) 安全性なども考慮しなければならない. また, コストや手間の問題もあり, 全てのガラスアンプル注射製剤にフィルターを使用することは難しい. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.39.581 |