現行の添付文書に対する病院薬剤師の意識調査

「緒言」医療用医薬品の添付文書は, 医療従事者の基本的な情報源となる非常に重要なものである. 添付文書は, 薬事法第52条において, 用法, 用量その他使用および取扱い上の必要な事項の記載が求められており, 処方, 調剤の際の参考となるばかりではなく, 保険償還の際の査定や, 医療訴訟等における医療水準の判定根拠としても使用されている. 現行の医療用添付文書の形式は, 平成5年に発生したソリブジン事件を契機に, 医療従事者に必要な情報を簡潔にわかりやすく提供することを目的に, 平成9年に改訂されたものである1-3). この改訂は, 処方の流れに従って, 理解しやすく, 活用しやすい形式とするこ...

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Published in医療薬学 Vol. 33; no. 5; pp. 442 - 450
Main Authors 平田, 睦子, 齋藤, 充生, 浦野, 勉, 三宅, 真二, 長谷川, 隆一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2007
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.33.442

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Summary:「緒言」医療用医薬品の添付文書は, 医療従事者の基本的な情報源となる非常に重要なものである. 添付文書は, 薬事法第52条において, 用法, 用量その他使用および取扱い上の必要な事項の記載が求められており, 処方, 調剤の際の参考となるばかりではなく, 保険償還の際の査定や, 医療訴訟等における医療水準の判定根拠としても使用されている. 現行の医療用添付文書の形式は, 平成5年に発生したソリブジン事件を契機に, 医療従事者に必要な情報を簡潔にわかりやすく提供することを目的に, 平成9年に改訂されたものである1-3). この改訂は, 処方の流れに従って, 理解しやすく, 活用しやすい形式とすることを目的としており, 情報のレベル分けを行い, 警告, 使用上の注意等の処方上重要な事項を添付文書の前段に配置すること, 相互作用情報を表形式で示すこと等が行われた. しかしながら, このときの改訂では, 重要な情報を強調するために, 非臨床成績等については, 必要最小限としており, 必要な情報まで削られてしまっている可能性がある.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.33.442