オキサリプラチンによるアレルギーで中止後,再投与により薬剤誘発性血小板減少症に至った1症例
「緒言」オキサリプラチンは大腸がん治療のキードラッグであり, 胃がんにおける補助化学療法としても承認され, 消化器がんに広く使用されている第三世代の白金製剤である. 一方, オキサリプラチンによる特徴的な副作用として, 末梢神経障害とアレルギーが知られている. なかでもアレルギーは, 重篤化すると呼吸困難や循環不全などを引き起こし生命に危険を及ぼすことがある. さらに添付文書の副作用項目には, II型アレルギーである免疫学的機序を介した薬剤誘発性血小板減少症(drug-induced thrombocytopenia: DITP)の記載があり(エルプラット添付文書, ヤクルト本社, 2015年...
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Published in | 医療薬学 Vol. 42; no. 12; pp. 834 - 838 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
10.12.2016
日本医療薬学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.42.834 |
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Summary: | 「緒言」オキサリプラチンは大腸がん治療のキードラッグであり, 胃がんにおける補助化学療法としても承認され, 消化器がんに広く使用されている第三世代の白金製剤である. 一方, オキサリプラチンによる特徴的な副作用として, 末梢神経障害とアレルギーが知られている. なかでもアレルギーは, 重篤化すると呼吸困難や循環不全などを引き起こし生命に危険を及ぼすことがある. さらに添付文書の副作用項目には, II型アレルギーである免疫学的機序を介した薬剤誘発性血小板減少症(drug-induced thrombocytopenia: DITP)の記載があり(エルプラット添付文書, ヤクルト本社, 2015年11月改訂), これまでオキサリプラチンによるDITPの症例が報告されているが, 即時性のI型アレルギーと併発した報告はない. 今回, オキサリプラチンによるI型アレルギーで中断となり, 再開6コース投与後にDITPに至った症例を経験したので報告する. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.42.834 |