後頭蓋窩解離性動脈瘤の治療方針

「はじめに」後頭蓋窩の解離性動脈瘤は近年神経放射線学的診断法の進歩などに伴い, その存在が注目され報告も増加してきている. 本疾患には虚血発症例とクモ膜下出血発症例がみられるが, その自然経過については不明な点が多い. そのため手術を含めた治療法の選択にも諸説がみられ, 一定の方針はない状態である. そこで今回は, 本疾患に対する治療方針を明確にするため, 自験例を提示し, 更に文献的考察も加えて本疾患の臨床経過や自然経過を明らかにすることを試みた. 現在の我々の治療方針も含めて報告する. 「対象」1981年から1993年までに経験した症例で脳血管撮影, 手術所見, あるいは剖検所見で後頭蓋窩...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 21; no. 5; pp. 385 - 390
Main Authors 竹内, 茂和, 田中, 隆一, 反町, 隆俊, 佐々木, 修, 小池, 哲雄, 皆河, 崇志, 阿部, 博史, 伊藤, 靖
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 1993
日本脳卒中の外科研究会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs1987.21.5_385

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Summary:「はじめに」後頭蓋窩の解離性動脈瘤は近年神経放射線学的診断法の進歩などに伴い, その存在が注目され報告も増加してきている. 本疾患には虚血発症例とクモ膜下出血発症例がみられるが, その自然経過については不明な点が多い. そのため手術を含めた治療法の選択にも諸説がみられ, 一定の方針はない状態である. そこで今回は, 本疾患に対する治療方針を明確にするため, 自験例を提示し, 更に文献的考察も加えて本疾患の臨床経過や自然経過を明らかにすることを試みた. 現在の我々の治療方針も含めて報告する. 「対象」1981年から1993年までに経験した症例で脳血管撮影, 手術所見, あるいは剖検所見で後頭蓋窩の解離性動脈瘤と診断した虚血発症例9例とクモ膜下出血発症例10例, 計19例を対象とした. 虚血発症例では臨床所見, 経時的な血管撮影所見の変化, 転帰について, またクモ膜下出血例では臨床所見と転帰について検討を行った.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.21.5_385