小脳, 脳幹部動静脈奇形17例: 手術適応と治療成績

「はじめに」後頭蓋窩の動静脈奇形 (AVM) は比較的まれな病変であり, 頭蓋内AVMの7%とされている. 近年, 神経放射線診断学や微小脳神経外科手術の進歩により摘出が困難とされてきた脳幹部や小脳橋角部のAVMに対しても直達手術が行われるようになり, 比較的低いmortalityとmorbidtyによって根治術が可能となってきた. さらに, 人工塞栓術でAVMを完全に閉塞させることは少ないものの, 術前に行うことにより手術的摘出を容易にすることができるようになっている. 一方, 手術的に摘出困難な後頭蓋窩AVMに対してGamma-knife unitやLinacを利用したradiosurge...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 22; no. 2; pp. 129 - 134
Main Authors 藤井, 清孝, 福井, 仁士, 蓮尾, 金博, 坂田, 修治, 松島, 俊夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 1994
日本脳卒中の外科研究会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs1987.22.2_129

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Summary:「はじめに」後頭蓋窩の動静脈奇形 (AVM) は比較的まれな病変であり, 頭蓋内AVMの7%とされている. 近年, 神経放射線診断学や微小脳神経外科手術の進歩により摘出が困難とされてきた脳幹部や小脳橋角部のAVMに対しても直達手術が行われるようになり, 比較的低いmortalityとmorbidtyによって根治術が可能となってきた. さらに, 人工塞栓術でAVMを完全に閉塞させることは少ないものの, 術前に行うことにより手術的摘出を容易にすることができるようになっている. 一方, 手術的に摘出困難な後頭蓋窩AVMに対してGamma-knife unitやLinacを利用したradiosurgeryが行われ, 良好なnidusの閉塞率を得ている. 今後, 後頭蓋窩AVMに対してどのような治療戦術を採るかは重要な課題であり, そのためには手術的摘出の成績を明らかにする必要がある.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.22.2_129