椎骨動脈解離性動脈瘤の治療

「はじめに」近年, 椎骨動脈解離性動脈瘤の報告が増えてきている. DSA, MRIなどの画像診断技術の進歩によるところが大きいが, その治療については今だ明確でない部分も多い. 今回, 33例の椎骨動脈解離性動脈瘤について, 外科的治療を行った症例と保存的治療を行った症例について比較しその治療方針について検討したので報告する. 「対象および方法」対象は, 過去10年間に当科で経験した椎骨動脈解離性動脈瘤33例である. 診断は主に脳血管撮影で行ったが, 病理診断にて確定診断に至った症例も3例あった. なお, 脳血管撮影の所見としては, いわゆるpearl and string signや静脈相ま...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 22; no. 4; pp. 293 - 299
Main Authors 恩田, 英明, 加川, 瑞夫, 竹下, 幹彦, 高倉, 公朋, 谷川, 達也, 井沢, 正博, 川俣, 貴一, 氏家, 弘, 荒井, 孝司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 1994
日本脳卒中の外科研究会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs1987.22.4_293

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Summary:「はじめに」近年, 椎骨動脈解離性動脈瘤の報告が増えてきている. DSA, MRIなどの画像診断技術の進歩によるところが大きいが, その治療については今だ明確でない部分も多い. 今回, 33例の椎骨動脈解離性動脈瘤について, 外科的治療を行った症例と保存的治療を行った症例について比較しその治療方針について検討したので報告する. 「対象および方法」対象は, 過去10年間に当科で経験した椎骨動脈解離性動脈瘤33例である. 診断は主に脳血管撮影で行ったが, 病理診断にて確定診断に至った症例も3例あった. なお, 脳血管撮影の所見としては, いわゆるpearl and string signや静脈相まで長く残存する造影剤所見を参考に行った. 性別は, 男性19例, 女性14例で男性に多く, 動脈瘤を右椎骨動脈に認めたものが17例, 左に14例, 両側に認めたものは2例で, 脳底動脈まで解離が進んでいたものが2例あった.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.22.4_293