高齢者施設における嚥下内視鏡検査 (VE) の検討

高齢者施設では, 嚥下機能低下例が多く対応に苦慮している. 今回我々は, 特別養護老人ホーム2ヵ所において, 往診にて診察と嚥下内視鏡検査を施行し, 嚥下機能評価を行った. 症例は14例 (男性6例, 女性8例), 年齢は54歳~97歳 (平均80.1歳) であった. 全例に認知症があり (軽度5例, 重度9例) そのほか, 脳血管障害9例, 神経筋疾患3例, 膠原病1例であった. 発熱&肺炎の既往がある症例は8例であった. 胃瘻造設検討中が4例あったが実施例は無かった. 咽頭残留を3例 (21.4%), 喉頭知覚低下を7例 (50%), 嚥下反射惹起遅延を9例 (64.3%), 痰の...

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Published inStomato-pharyngology Vol. 24; no. 2; pp. 187 - 190
Main Authors 佃, 守, 永井, 浩巳, 酒井, 昭博, 杉本, 良介, 飯田, 政弘, 西山, 耕一郎, 八尾, 和雄, 臼井, 大祐, 廣瀬, 肇, 大上, 研二, 戎本, 浩史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 2011
Japan Society of Stomato-pharyngology
Subjects
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ISSN0917-5105
1884-4316
DOI10.14821/stomatopharyngology.24.187

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Summary:高齢者施設では, 嚥下機能低下例が多く対応に苦慮している. 今回我々は, 特別養護老人ホーム2ヵ所において, 往診にて診察と嚥下内視鏡検査を施行し, 嚥下機能評価を行った. 症例は14例 (男性6例, 女性8例), 年齢は54歳~97歳 (平均80.1歳) であった. 全例に認知症があり (軽度5例, 重度9例) そのほか, 脳血管障害9例, 神経筋疾患3例, 膠原病1例であった. 発熱&肺炎の既往がある症例は8例であった. 胃瘻造設検討中が4例あったが実施例は無かった. 咽頭残留を3例 (21.4%), 喉頭知覚低下を7例 (50%), 嚥下反射惹起遅延を9例 (64.3%), 痰の喀出不良を7例 (50%), 誤嚥 (トロミ水) を6例 (42.9%) に認めた. 食事内容の変更を6例/14例 (42.9%) に指示した. そのうち1例は, ミキサー食から胃瘻への変更を提案した. 着色水テスト不能例は4例 (28.6%) であり, いずれも重度認知症であった. 食事内容を変更した症例は, いずれも痰の減少と発熱の消失を認めた. 重度認知症例に対する, 嚥下機能評価法を提案した. 耳鼻咽喉科医は, 嚥下内視鏡検査を積極的に行うべきであろう.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology.24.187