シェーグレン症候群によるファンコニ症候群として加療されていたFGF23関連疾患の 1 例

症例は43歳女性, シェーグレン症候群(Sjs)で膠原病内科通院中, 6年前(37歳)より低リン血症を認めた。Sjs によるFanconi症候群(FCS)と診断され, 経口リン製剤と活性化ビタミンDで治療されていた。補充にもかかわらず高度の低リン血症が継続していた。3年前(40歳),FGF23が32.7pg/mlでFGF23関連疾患のカットオフ値 30pg/mlを越えていたが,基準値から軽度の逸脱と判断された。リン補充量が次第に増加し,両足関節の疼痛が出現した。1年前(42歳)のFGF23値が53.7 pg/ml と異常高値を呈し,FGF23関連疾患と診断した。後天性発症からFGF23関連疾患...

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Published in日本病院総合診療医学会雑誌 Vol. 20; no. 2; pp. 92 - 97
Main Authors 仙田, 聡子, 川原, 順子, 中田, 祐輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本病院総合診療医学会 31.03.2024
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ISSN2185-8136
2758-7878
DOI10.60227/jhgmwabun.20.2_92

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Summary:症例は43歳女性, シェーグレン症候群(Sjs)で膠原病内科通院中, 6年前(37歳)より低リン血症を認めた。Sjs によるFanconi症候群(FCS)と診断され, 経口リン製剤と活性化ビタミンDで治療されていた。補充にもかかわらず高度の低リン血症が継続していた。3年前(40歳),FGF23が32.7pg/mlでFGF23関連疾患のカットオフ値 30pg/mlを越えていたが,基準値から軽度の逸脱と判断された。リン補充量が次第に増加し,両足関節の疼痛が出現した。1年前(42歳)のFGF23値が53.7 pg/ml と異常高値を呈し,FGF23関連疾患と診断した。後天性発症からFGF23関連疾患のひとつである腫瘍性骨軟化症(TIO)を疑ったが, 腫瘍を同定できていない。筋骨格症状とリン利尿を伴う低リン血症の評価においてFGF23測定は必須である。TIOを含むFGF23 関連疾患は複数の診断障壁を内包することを念頭に置くべきである。
ISSN:2185-8136
2758-7878
DOI:10.60227/jhgmwabun.20.2_92