車中生活者に発症し栄養障害性ニューロパチーが疑われた歩行障害の1例

10年以上の車中生活者に急性発症した歩行障害の一例を経験した。脱水,脳梗塞,下肢静脈血栓症などを疑い血液検査,画像検査などを重ねて検索したが,原因の特定に難渋した。しかし各種疾患を除外し,下肢の末梢神経伝導検査における軸索障害の所見と長期にわたる嗜好品のみの摂取という極端な食生活歴から,総合的に栄養障害性のニューロパチーと診断した。栄養環境が豊かである現代の日本においても不適切な食生活による潜在的な栄養障害が存在することを,今回の症例を通して改めて認識した。...

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Bibliographic Details
Published in日本病院総合診療医学会雑誌 Vol. 19; no. 1; pp. 45 - 50
Main Authors 畑澤, 千秋, 渡部, 博之, 齊藤, 崇, 堀江, 舞, 作左部, 大
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本病院総合診療医学会 31.01.2023
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ISSN2185-8136
2758-7878
DOI10.60227/jhgmwabun.19.1_45

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Summary:10年以上の車中生活者に急性発症した歩行障害の一例を経験した。脱水,脳梗塞,下肢静脈血栓症などを疑い血液検査,画像検査などを重ねて検索したが,原因の特定に難渋した。しかし各種疾患を除外し,下肢の末梢神経伝導検査における軸索障害の所見と長期にわたる嗜好品のみの摂取という極端な食生活歴から,総合的に栄養障害性のニューロパチーと診断した。栄養環境が豊かである現代の日本においても不適切な食生活による潜在的な栄養障害が存在することを,今回の症例を通して改めて認識した。
ISSN:2185-8136
2758-7878
DOI:10.60227/jhgmwabun.19.1_45