口蓋扁桃摘出術の術後出血: 抗生剤投与方法からみた検討

口蓋扁桃摘出術における周術期抗生剤の投与期間を手術当日のみから術後3日以上に延長, 術後経過をカルテで追跡した. その結果, 抗生剤投与日数を3日以上に延長しても術後出血率, 解熱鎮痛剤使用数, 発熱の有無に影響がみられなかった. 周術期の抗生剤投与は手術当日のみで十分と考えられたが, 術後出血例の検討では局所感染を伴うものもあった. 術前より術野の常在菌叢, 薬剤感受性を把握し最適な抗生剤を使用するなど症例毎に感染対策を行うことが良いと思われた. 一方, 抗生剤使用期間にかかわらず, 解熱鎮痛剤の使用が多いと, 有意に術後出血が増加した. その原因は不明であり解熱鎮痛剤の抗血小板作用なども含...

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Published inStomato-pharyngology Vol. 22; no. 2; pp. 109 - 115
Main Authors 小山, 新一郎, 國井, 博史, 村上, 信五, 原田, 生功磨, 勝見, さち代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 2009
Japan Society of Stomato-pharyngology
Subjects
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ISSN0917-5105
1884-4316
DOI10.14821/stomatopharyngology.22.109

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Summary:口蓋扁桃摘出術における周術期抗生剤の投与期間を手術当日のみから術後3日以上に延長, 術後経過をカルテで追跡した. その結果, 抗生剤投与日数を3日以上に延長しても術後出血率, 解熱鎮痛剤使用数, 発熱の有無に影響がみられなかった. 周術期の抗生剤投与は手術当日のみで十分と考えられたが, 術後出血例の検討では局所感染を伴うものもあった. 術前より術野の常在菌叢, 薬剤感受性を把握し最適な抗生剤を使用するなど症例毎に感染対策を行うことが良いと思われた. 一方, 抗生剤使用期間にかかわらず, 解熱鎮痛剤の使用が多いと, 有意に術後出血が増加した. その原因は不明であり解熱鎮痛剤の抗血小板作用なども含め今後の検討を要する.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology.22.109