卵巣がん患者におけるパクリタキセル投与時の末梢神経障害発現状況と重症度の調査
「緒言」パクリタキセル(PTX)は, チュブリン重合を促進することにより微小管を安定化させ細胞分裂を阻害する抗悪性腫瘍薬であり, 卵巣がん, 乳がん, 非小細胞肺がん, 胃がん, 子宮体がん, 子宮頸がん, 頭頸部がん, 食道がん, 血管肉腫, 胚細胞腫瘍等多くの悪性腫瘍の治療に用いられている. 卵巣がん治療においてもPTXはkey drugの1つであり, 日常臨床において広く使用されている. その特徴的な副作用として末梢神経障害(chemotherapy induced peripheral neuropathy: CIPN)が知られており, PTXの用量規制因子となっている. CIPNの重...
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Published in | 医療薬学 Vol. 43; no. 5; pp. 252 - 259 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
10.05.2017
日本医療薬学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.43.252 |
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Summary: | 「緒言」パクリタキセル(PTX)は, チュブリン重合を促進することにより微小管を安定化させ細胞分裂を阻害する抗悪性腫瘍薬であり, 卵巣がん, 乳がん, 非小細胞肺がん, 胃がん, 子宮体がん, 子宮頸がん, 頭頸部がん, 食道がん, 血管肉腫, 胚細胞腫瘍等多くの悪性腫瘍の治療に用いられている. 卵巣がん治療においてもPTXはkey drugの1つであり, 日常臨床において広く使用されている. その特徴的な副作用として末梢神経障害(chemotherapy induced peripheral neuropathy: CIPN)が知られており, PTXの用量規制因子となっている. CIPNの重篤化により治療継続が困難となることもある. PTXによるCIPNの発現機序については未だ不明な点が多いものの, 軸索変性や脱髄等による軸策輸送の障害が関与しているとされている. また, 用量依存的に増悪することが知られており, その好発時点の累積投与量は250mg/m2~1,500mg/m2と報告により差がみられる. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.43.252 |