新生児蘇生法講習会を受講した救急隊員の受講後の動向調査

救急隊員が周産期症例に対応するための訓練を無理なく続けられるコース設計や教授法を構築する必要から,救急隊員を対象に開催したNCPR講習会受講者の合否や認定申請,職務上の有用性を把握する目的で本研究を行った.著者らが開催した周産期症例対応講習を含むNCPR講習会を受講した救急隊員22名にアンケート調査を行い,21名から回答を得た.ポストテスト合格は18名(86%),不合格は3名(14%)で,不合格者はいずれも救急救命士資格を持たない救急隊員だった.合格者のうち修了認定を受けたのは5名で,有用性や費用面から敬遠されていた.20名(95%)がNCPR講習会の受講を同僚にも勧めたいとし,16名(76%...

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Published in日本周産期・新生児医学会雑誌 Vol. 56; no. 1; pp. 106 - 112
Main Authors 奥平, 寛奈, 佐々木, 俊一, 小西, 美樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本周産期・新生児医学会 2020
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ISSN1348-964X
2435-4996
DOI10.34456/jjspnm.56.1_106

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Summary:救急隊員が周産期症例に対応するための訓練を無理なく続けられるコース設計や教授法を構築する必要から,救急隊員を対象に開催したNCPR講習会受講者の合否や認定申請,職務上の有用性を把握する目的で本研究を行った.著者らが開催した周産期症例対応講習を含むNCPR講習会を受講した救急隊員22名にアンケート調査を行い,21名から回答を得た.ポストテスト合格は18名(86%),不合格は3名(14%)で,不合格者はいずれも救急救命士資格を持たない救急隊員だった.合格者のうち修了認定を受けたのは5名で,有用性や費用面から敬遠されていた.20名(95%)がNCPR講習会の受講を同僚にも勧めたいとし,16名(76%)が講習会後も周産期症例への苦手意識があるとした. 乳児BLSによるプロトコールとの混乱も懸念され,救急隊員が周産期症例に自信を持って対応できるよう,訓練を継続できる体制構築が必要である.
ISSN:1348-964X
2435-4996
DOI:10.34456/jjspnm.56.1_106