デキサメタゾン先発品と後発品の高度催吐リスクがん化学療法における急性および遅発性悪心・嘔吐効果の比較検討

「緒言」 高度催吐リスクがん化学療法における悪心・嘔吐は患者のquality of life (QOL)に大きな影響を与えるため1), これらを最小限に抑えることは化学療法を継続するためにも非常に重要と位置づけられている. 本邦でも2005年9月に「抗悪性腫瘍剤[シスプラチン(CDDP)など]投与に伴う消化器症状(悪心・嘔吐)」の効能をデキサメタゾンリン酸エステル(DEX)に追加し, セロトニン受容体拮抗薬だけでは抑制しきれない遅延性の嘔吐2)への使用も可能となり, 米国臨床腫瘍学会(ASCO)のガイドラインに推奨される制吐療法に準じた治療が行われつつある3~4). また, DEXの投与量にお...

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Published in医療薬学 Vol. 38; no. 6; pp. 365 - 370
Main Authors 佐藤, 秀紀, 大津, 圭介, 梅原, 健吾, 和田, 佳子, 若本, あずさ, 初山, 多恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.06.2012
日本医療薬学会
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Summary:「緒言」 高度催吐リスクがん化学療法における悪心・嘔吐は患者のquality of life (QOL)に大きな影響を与えるため1), これらを最小限に抑えることは化学療法を継続するためにも非常に重要と位置づけられている. 本邦でも2005年9月に「抗悪性腫瘍剤[シスプラチン(CDDP)など]投与に伴う消化器症状(悪心・嘔吐)」の効能をデキサメタゾンリン酸エステル(DEX)に追加し, セロトニン受容体拮抗薬だけでは抑制しきれない遅延性の嘔吐2)への使用も可能となり, 米国臨床腫瘍学会(ASCO)のガイドラインに推奨される制吐療法に準じた治療が行われつつある3~4). また, DEXの投与量においても急性および遅延性悪心・嘔吐に対する有用性と安全性なども検討がなされている5~6). 札幌南三条病院では, 2008年7月の診断群分類による包括評価(DPC)導入によりDEXの後発品を検討した. 採用にあたり, 後発品はパラベンを添加していないことから, 経済効果だけでなく, 安全性上においても有用ではないかと考えた.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.38.365