アイソレーターと抗がん剤自動調製ロボットを使用した新たな抗がん剤調製業務の検討

「緒言」抗がん剤には発がん性, 催奇形性, 生殖毒性, 遺伝毒性, 低用量の臓器毒性といった性質をもつ危険医薬品が数多く存在し, 抗がん剤を取り扱う医療従事者を抗がん剤による職業的曝露から守ることは重要な課題となっている. 本邦においては, 抗がん剤の取り扱いに関する指針として, 2008年に日本病院薬剤師会より「注射剤・抗がん薬無菌調製ガイドライン」, 2015年には日本がん看護学会, 日本臨床腫瘍学会, 日本臨床腫瘍薬学会より「がん化学療法曝露対策合同ガイドライン」が発刊されており, 抗がん剤による曝露を抑えるための推奨事項が示されている. これらのガイドラインに基づき, 現在多くの施設に...

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Published in医療薬学 Vol. 42; no. 3; pp. 209 - 214
Main Authors 田代, 雄祐, 黒田, 純子, 鬼頭, 典子, 山本, 清司, 木村, 和哲, 伊豆田, 美晴, 竹本, 将士, 片岡, 智哉, 前田, 康博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.03.2016
日本医療薬学会
Subjects
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.42.209

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Summary:「緒言」抗がん剤には発がん性, 催奇形性, 生殖毒性, 遺伝毒性, 低用量の臓器毒性といった性質をもつ危険医薬品が数多く存在し, 抗がん剤を取り扱う医療従事者を抗がん剤による職業的曝露から守ることは重要な課題となっている. 本邦においては, 抗がん剤の取り扱いに関する指針として, 2008年に日本病院薬剤師会より「注射剤・抗がん薬無菌調製ガイドライン」, 2015年には日本がん看護学会, 日本臨床腫瘍学会, 日本臨床腫瘍薬学会より「がん化学療法曝露対策合同ガイドライン」が発刊されており, 抗がん剤による曝露を抑えるための推奨事項が示されている. これらのガイドラインに基づき, 現在多くの施設において抗がん剤調製時には曝露対策として安全キャビネットおよび個人防護具(personal protective equipment:PPE)が用いられている. これらの曝露対策は, 調製者の抗がん剤曝露リスクを低下させる一方, 調製業務にあたる薬剤師の移動や行動を制限し, 調製業務に長時間拘束することとなった.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.42.209