非小細胞肺がん日本人患者における免疫チェックポイント阻害薬の抗腫瘍効果に及ぼす抗菌薬の影響

「緒言」近年, 免疫チェックポイント阻害薬 (immune checkpoint inhibitor : ICI) の上市により, がん治療のストラテジーは劇的な変貌を遂げており, ICIは様々な進行がんにおける有効な治療法として注目されている. 現在, ICIの治療強度を高めるため, 新たな併用療法, 適切なバイオマーカーの発見などの基礎および臨床研究が活発に行われている. このうち, がん免疫応答と腸内細菌叢が密接に関連し, がん免疫応答は腸内細菌叢によって一部調節されていることが報告されつつある. そのメカニズムとしては, がん免疫応答のプライミング相において腸内細菌によるToll様受容...

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Published in医療薬学 Vol. 46; no. 8; pp. 436 - 446
Main Authors 貝野, 裕也, 辻川, 正彦, 中村, 孝人, 北澤, 文章, 坂野, 玲子, 前野, 有紀, 大井, 隆広, 中蔵, 伊知郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.08.2020
日本医療薬学会
Subjects
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.46.436

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Summary:「緒言」近年, 免疫チェックポイント阻害薬 (immune checkpoint inhibitor : ICI) の上市により, がん治療のストラテジーは劇的な変貌を遂げており, ICIは様々な進行がんにおける有効な治療法として注目されている. 現在, ICIの治療強度を高めるため, 新たな併用療法, 適切なバイオマーカーの発見などの基礎および臨床研究が活発に行われている. このうち, がん免疫応答と腸内細菌叢が密接に関連し, がん免疫応答は腸内細菌叢によって一部調節されていることが報告されつつある. そのメカニズムとしては, がん免疫応答のプライミング相において腸内細菌によるToll様受容体 (Toll-like receptors : TLR) を介したナイーブT細胞の活性化や, それとは逆に腸管に存在する調節性T細胞による免疫応答の抑制が考えられている.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.46.436