抗菌薬適正使用支援活動によるデ・エスカレーションの向上が血液培養陽性患者アウトカムに及ぼす影響

「緒言」 過剰な広域抗菌薬の使用は耐性菌の蔓延を助長することが知られており, カルバペネム系抗菌薬耐性菌の報告やextended spectrum beta lactamase (ESBL)産生腸内細菌の増加が懸念されている. この状態に対処することを目的に本邦では, 2016年に薬剤耐性(antimicrobial resistance: AMR)対策アクションプランが公表され, 抗菌薬適正使用支援(antimicrobial stewardship: AS)が, 近年大変な注目を集めている. 感染症の初期治療では, 経験的治療として広域抗菌薬が使用される. 抗菌薬を適正に使用するうえでは,...

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Published in医療薬学 Vol. 46; no. 6; pp. 314 - 322
Main Authors 根ヶ山, 清, 加地, 雅人, 間嶋, 由美子, 山口, 佳津騎, 渡邊, 政博, 田中, 裕章, 小坂, 信二, 芳地, 一, 元木, 貴大, 井上, 達也, 横田, 恭子, 田井, 達也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.06.2020
日本医療薬学会
Subjects
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.46.314

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Summary:「緒言」 過剰な広域抗菌薬の使用は耐性菌の蔓延を助長することが知られており, カルバペネム系抗菌薬耐性菌の報告やextended spectrum beta lactamase (ESBL)産生腸内細菌の増加が懸念されている. この状態に対処することを目的に本邦では, 2016年に薬剤耐性(antimicrobial resistance: AMR)対策アクションプランが公表され, 抗菌薬適正使用支援(antimicrobial stewardship: AS)が, 近年大変な注目を集めている. 感染症の初期治療では, 経験的治療として広域抗菌薬が使用される. 抗菌薬を適正に使用するうえでは, 細菌培養検査を実施し, 感染臓器や原因微生物を同定することで, 狭域スペクトラムの抗菌薬を用いた標的治療に変更する必要がある. このプロセスは, デ・エスカレーションと呼ばれている. デ・エスカレーションを実施するためには, 血液培養をはじめとする各種検査の確認体制等の環境が整えられることが必要である.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.46.314