周術期患者における角層水分量と経皮吸収性ビソプロロール・テープ剤の安全性および有効性の検証

「緒言」周術期の心血管イベント予防を目的としたβ遮断薬導入の是非について検討した臨床試験では, β遮断薬の種類, 投与開始時期や投与量等が統一されておらず, 一定の見解が得られていないものの, 医療現場では虚血性心疾患合併症や心房細動発症のリスク軽減を期待して冠動脈疾患の高リスク患者ではβ遮断薬が投与されている. しかし周術期においては経口投与ができないケースや点滴ラインを確保することが難しいケースもあり, 第三の経路として経皮吸収型製剤が望まれた. 2013年9月, 世界初のβ1遮断薬テープ剤であるビソプロロール・テープ剤が上市された. 経皮吸収型製剤ということで経口製剤とは異なる薬物動態を...

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Published in医療薬学 Vol. 43; no. 4; pp. 215 - 222
Main Authors 高井, 靖, 西村, 善幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.04.2017
日本医療薬学会
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Summary:「緒言」周術期の心血管イベント予防を目的としたβ遮断薬導入の是非について検討した臨床試験では, β遮断薬の種類, 投与開始時期や投与量等が統一されておらず, 一定の見解が得られていないものの, 医療現場では虚血性心疾患合併症や心房細動発症のリスク軽減を期待して冠動脈疾患の高リスク患者ではβ遮断薬が投与されている. しかし周術期においては経口投与ができないケースや点滴ラインを確保することが難しいケースもあり, 第三の経路として経皮吸収型製剤が望まれた. 2013年9月, 世界初のβ1遮断薬テープ剤であるビソプロロール・テープ剤が上市された. 経皮吸収型製剤ということで経口製剤とは異なる薬物動態を示し(ビソノ(R) テープ承認時申請資料:経口製剤との薬物動態試験成績, トーアエイヨー株式会社, 2013年8月作成), 周術期においてビソプロロール・テープ剤の少数例での検討はあるが, 今後周術期への導入データの蓄積に期待がもたれる.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.43.215