偽性低アルドステロン症I型

偽性低アルドステロン症I型 (PHA1) は,レニン-アルドステロン系の亢進にもかかわらず,遠位尿細管におけるナトリウムの再吸収が障害されているため,低ナトリウム血症,高カリウム血症を呈することを特徴とするまれな尿細管疾患である。常染色体優性遺伝形式をとるものと常染色体劣性遺伝形式をとるものがあり,それぞれ重症度が異なる。近年,Bartter症候群II型で新生児期にPHA1とよく似た経過をたどる症例が報告されており,注意が必要である。PHA1は新生児期に適切な脱水・電解質管理がなされれば塩分補充療法のみで成長発達も改善される予後良好な疾患である。...

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Published in日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 22; no. 2; pp. 123 - 125
Main Authors 神田, 杏子, 野津, 寛大, 橋村, 裕也, 飯島, 一誠, 松尾, 雅文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児腎臓病学会 2009
日本小児腎臓病学会
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Summary:偽性低アルドステロン症I型 (PHA1) は,レニン-アルドステロン系の亢進にもかかわらず,遠位尿細管におけるナトリウムの再吸収が障害されているため,低ナトリウム血症,高カリウム血症を呈することを特徴とするまれな尿細管疾患である。常染色体優性遺伝形式をとるものと常染色体劣性遺伝形式をとるものがあり,それぞれ重症度が異なる。近年,Bartter症候群II型で新生児期にPHA1とよく似た経過をたどる症例が報告されており,注意が必要である。PHA1は新生児期に適切な脱水・電解質管理がなされれば塩分補充療法のみで成長発達も改善される予後良好な疾患である。
ISSN:0915-2245
1881-3933
DOI:10.3165/jjpn.22.123