矯正歯科治療患者へのHe-Neレーザー照射による除痛効果の応用
矯正治療時の疼痛は殆どの場合-過性ではあるが, 有効な対処方は少ないのが現状である。我々は, 矯正治療時の疼痛緩和を目的に, Na: YAG レーザー, Ga-Al-As 半導体レーザーを応用し, その有効性を報告してきた。しかし, レーザーは波長によってその作用が異なるためHe-Neレーザーについて同様の実験を行い, その有効性について先の半導体レーザーでの結果と比較検討した。被験者は, 神戸大学病院矯正部外来患者および同医局員で, 平均年齢20.7歳であった。予め歯牙接触関係等に左右側で, 差が無いことを確認した同顎左右第1大臼歯を被験歯とした。被験歯近遠心もしくは近心に同じ厚みのエラステ...
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Published in | 日本レーザー医学会誌 Vol. 15; no. 2; pp. 1 - 7 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
1994
日本レーザー医学会 |
Subjects | |
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Summary: | 矯正治療時の疼痛は殆どの場合-過性ではあるが, 有効な対処方は少ないのが現状である。我々は, 矯正治療時の疼痛緩和を目的に, Na: YAG レーザー, Ga-Al-As 半導体レーザーを応用し, その有効性を報告してきた。しかし, レーザーは波長によってその作用が異なるためHe-Neレーザーについて同様の実験を行い, その有効性について先の半導体レーザーでの結果と比較検討した。被験者は, 神戸大学病院矯正部外来患者および同医局員で, 平均年齢20.7歳であった。予め歯牙接触関係等に左右側で, 差が無いことを確認した同顎左右第1大臼歯を被験歯とした。被験歯近遠心もしくは近心に同じ厚みのエラスティックセパレーターを挿入し, 挿入直後にレーザーを片側にのみ近心根, 遠心根の各中央相当部頬側歯肉に各々1分間ずつ計2分間接触照射し、反対側を非照射対照側とした。なお, 照射に際しては被験者に, 照射側が判別されないよう努めた。レーザー装置は, 波長632.8nm, 出力6m W のSOFT-LASER 632Rを連続波で2分間用いた。調査はアンケート用紙にて行い, 疼痛の開始時期, 消失時期, 最大疼痛の時期およびその程度を患者自身に記入させ, 次の来院時に回収した。疼痛評価はVisual analog scale (VAS) を用いて行い, 各症例の非照射側を対照として比較した。その結果22例中14例で照射側VAS値の滅少を認め, VAS平均値も照射側2.33, 対照側3.91と有意の差を認めた。疼痛時期については両群間に差を認めなかった。半導体レーザーとのVAS値の比較も有意の差を認めず, 何れのレーザーにおいても同程度の除痛効果が得られたものと考えられる。 |
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ISSN: | 0288-6200 1881-1639 |
DOI: | 10.2530/jslsm1980.15.2_1 |