外来がん患者に対する薬剤師外来の役割とその評価

「緒言」「患者中心」としたチーム医療が重視されるようになり, 病院薬剤師は1988年より入院患者を対象とした服薬指導や薬剤管理指導を実施してきた. また, 外来患者に対しては, 院外処方せん発行率が増加し, 薬局薬剤師による服薬指導が定着してきている. しかし, 経口抗凝固薬ワルファリンによる薬物治療モニタリング, 喘息患者の吸入指導やがん化学療法に対する治療支援など, 医師への迅速なフィードバック(情報提供)を必要とする領域においては, 外来患者に対する病院薬剤師の関与が求められている. このような背景の中, 病院内に「薬剤師外来」を設置する施設が増えている. 薬剤師外来は, 薬剤師が外来患...

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Published in医療薬学 Vol. 38; no. 9; pp. 599 - 608
Main Authors 中島, 輝一, 真野, 泰成, 大内, かおり, 佐藤, 大輔, 岩田, 杏子, 樋口, 安耶, 江原, 邦明, 加藤, 芳徳, 廣澤, 伊織, 田島, 正教, 土屋, 文人, 山田, 治美, 小瀧, 一, 旭, 満里子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.09.2012
日本医療薬学会
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Summary:「緒言」「患者中心」としたチーム医療が重視されるようになり, 病院薬剤師は1988年より入院患者を対象とした服薬指導や薬剤管理指導を実施してきた. また, 外来患者に対しては, 院外処方せん発行率が増加し, 薬局薬剤師による服薬指導が定着してきている. しかし, 経口抗凝固薬ワルファリンによる薬物治療モニタリング, 喘息患者の吸入指導やがん化学療法に対する治療支援など, 医師への迅速なフィードバック(情報提供)を必要とする領域においては, 外来患者に対する病院薬剤師の関与が求められている. このような背景の中, 病院内に「薬剤師外来」を設置する施設が増えている. 薬剤師外来は, 薬剤師が外来患者の薬物療法上の問題点を抽出し, 患者の状況に適した服薬指導や薬剤管理指導を行うことにより, 医師への薬物療法の支援および外来患者の薬物療法の質の向上を目的としている. 我が国では, 海外の実例を参考に名古屋大学病院が, ワルファリンによる薬物治療モニタリングや喘息患者の吸入指導などを行う「薬剤師外来」を先進的に展開してきた.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.38.599