抗血栓薬内服が急性期脳出血患者の退院時の死亡率に及ぼす影響

「緒言」脳内出血の死亡率は高く, 発症後7日以内と1年以内において, それぞれ34%, 53%と報告されている. また, 脳梗塞や虚血性心疾患などの一次, 二次予防を目的として抗血小板薬や抗凝固薬などの抗血栓薬を服用する患者において, 脳内出血は最も重篤な致死的副作用の1つである. 特に抗凝固薬内服患者の脳内出血による死亡率は非内服患者の約3倍である. しかしながら, 抗血小板薬と抗凝固薬を併用した患者の脳内出血死亡率に関してはあまり知られていない. また, 心房細動を合併した虚血性心疾患症例では, 抗血小板薬と抗凝固薬の併用療法が必要とされる場合が多いが, わが国で行われたbleeding...

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Published in医療薬学 Vol. 42; no. 3; pp. 168 - 173
Main Authors 赤松, 隼人, 樋口, 則英, 立石, 洋平, 辻野, 彰, 堀江, 信貴, 出雲, 剛, 佐々木, 均, 北原, 隆志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.03.2016
日本医療薬学会
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Summary:「緒言」脳内出血の死亡率は高く, 発症後7日以内と1年以内において, それぞれ34%, 53%と報告されている. また, 脳梗塞や虚血性心疾患などの一次, 二次予防を目的として抗血小板薬や抗凝固薬などの抗血栓薬を服用する患者において, 脳内出血は最も重篤な致死的副作用の1つである. 特に抗凝固薬内服患者の脳内出血による死亡率は非内服患者の約3倍である. しかしながら, 抗血小板薬と抗凝固薬を併用した患者の脳内出血死亡率に関してはあまり知られていない. また, 心房細動を合併した虚血性心疾患症例では, 抗血小板薬と抗凝固薬の併用療法が必要とされる場合が多いが, わが国で行われたbleeding with antithrombotic therapy studyでは, 抗血栓薬の併用療法が出血性合併症の発症に関する独立した危険因子であることも示されている. しかし, 脳出血患者の予後に対して抗血栓薬の投与薬剤数や種類が及ぼす影響について検討した報告は少ない.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.42.168