上下顎後方移動術の術後に陰圧性肺水腫をきたした1症例

上下顎後方移動術の術後に低酸素血症を伴う上気道閉塞が生じ, 経鼻エアウェイ挿入により対処できたが, 陰圧性肺水腫 (negative pressure pulmonary edema: NPPE) を発症し術後人工呼吸管理が必要となった症例を経験した. 上下顎後方移動術の術後は, 解剖学的に上気道の狭小化と手術操作に伴う粘膜浮腫により上気道狭窄や閉塞が生じる可能性がある. そのため, 術前に上気道の評価を行い, 抜管時には経鼻エアウェイを挿入しておくなどの対策を考慮する必要があると考えられた....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 29; no. 5; pp. 642 - 647
Main Authors 次田, 佳代, 上田, 雅史, 安田, 善一, 田畑, 麻里, 信川, 泰成, 重見, 研司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2009
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:上下顎後方移動術の術後に低酸素血症を伴う上気道閉塞が生じ, 経鼻エアウェイ挿入により対処できたが, 陰圧性肺水腫 (negative pressure pulmonary edema: NPPE) を発症し術後人工呼吸管理が必要となった症例を経験した. 上下顎後方移動術の術後は, 解剖学的に上気道の狭小化と手術操作に伴う粘膜浮腫により上気道狭窄や閉塞が生じる可能性がある. そのため, 術前に上気道の評価を行い, 抜管時には経鼻エアウェイを挿入しておくなどの対策を考慮する必要があると考えられた.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.29.642