リバーロキサバン内服中に発症した脳内出血の3例

要旨:症例1 は71 歳男性.慢性心房細動に対しリバーロキサバン15 mg を内服中に左視床出血を発症した.降圧療法を行い,出血の増加はみられなかった.症例2 は76 歳男性.慢性心房細動に対しリバーロキサバン15 mg を内服中に,脳室穿破を伴う右尾状核出血を発症した.脳室ドレナージ術,内視鏡による血腫除去術を行ったが,血腫の増大があり第3 病日に死亡した.症例3 は80 歳男性.深部静脈血栓症に対しリバーロキサバン10 mg を内服中に,脳室穿破を伴う右視床出血を発症した.脳室ドレナージ術を施行したが,血腫の増大があり,第2 病日に死亡した.リバーロキサバンは第Xa 因子阻害薬であり,非弁...

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Published in脳卒中 Vol. 37; no. 1; pp. 41 - 46
Main Authors 出端, 亜由美, 永田, 泉, 濵邊, 順平, 林, 健太郎, 立石, 洋平, 松尾, 孝之, 堀江, 信貴, 出雲, 剛, 辻野, 彰, 鎌田, 健作
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2015
日本脳卒中学会
Subjects
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.37.41

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Summary:要旨:症例1 は71 歳男性.慢性心房細動に対しリバーロキサバン15 mg を内服中に左視床出血を発症した.降圧療法を行い,出血の増加はみられなかった.症例2 は76 歳男性.慢性心房細動に対しリバーロキサバン15 mg を内服中に,脳室穿破を伴う右尾状核出血を発症した.脳室ドレナージ術,内視鏡による血腫除去術を行ったが,血腫の増大があり第3 病日に死亡した.症例3 は80 歳男性.深部静脈血栓症に対しリバーロキサバン10 mg を内服中に,脳室穿破を伴う右視床出血を発症した.脳室ドレナージ術を施行したが,血腫の増大があり,第2 病日に死亡した.リバーロキサバンは第Xa 因子阻害薬であり,非弁膜症性心房細動による塞栓症予防に有効である.しかし,出血性合併症のリスクはある.特に,脳内出血を発症した場合は致死的になることもあり,注意を要する.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.37.41