簡易懸濁法を用いたモルヒネ塩酸塩錠投与法の検討

[緒言] 1986年に世界保健機関から, がん性疼痛緩和のガイドラインであるCancer Pain Relief 1)が発表されて以来, モルヒネ経口製剤を基本とした医療用麻薬の有用性が認識され, 現在も新規の麻薬や既存麻薬の新規投与経路などの開発が望まれている. 麻薬の内服製剤は, 効果が長時間持続する徐放性製剤と効果の持続は短時間だが即効性のある速放性製剤に分類される. 徐放性製剤はベースとして, 速放性製剤はレスキューとして, それぞれの使用目的に適した製品が開発されている. 医療用麻薬の服用患者のなかには, 嚥下機能が低下し錠剤の内服が困難な高齢者や胃瘻や腸瘻を造設している患者など,...

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Published in医療薬学 Vol. 40; no. 3; pp. 160 - 164
Main Authors 山田, 清文, 横山, 雄一, 羽田, 和弘, 矢野, 亨治, 宮崎, 雅之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.03.2014
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.40.160

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Summary:[緒言] 1986年に世界保健機関から, がん性疼痛緩和のガイドラインであるCancer Pain Relief 1)が発表されて以来, モルヒネ経口製剤を基本とした医療用麻薬の有用性が認識され, 現在も新規の麻薬や既存麻薬の新規投与経路などの開発が望まれている. 麻薬の内服製剤は, 効果が長時間持続する徐放性製剤と効果の持続は短時間だが即効性のある速放性製剤に分類される. 徐放性製剤はベースとして, 速放性製剤はレスキューとして, それぞれの使用目的に適した製品が開発されている. 医療用麻薬の服用患者のなかには, 嚥下機能が低下し錠剤の内服が困難な高齢者や胃瘻や腸瘻を造設している患者など, 錠剤の内服は適さない患者がいる. そこで, 2003年6月に速放性のモルヒネ液剤が発売された. しかしながら, 現在, 速放性のモルヒネ液剤は1包あたり5mgと10mgの製剤しか発売されていないため, 突出痛出現時に高用量モルヒネ服用患者は, 痛みがあるにもかかわらず, 複数包を開封し服用しなければならない.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.40.160