興奮性細胞膜における膜電位の2波長同時計測

intactな大脳皮質や心臓における活動電位の光学的計測では光信号は微弱であり, 計測部位の位置的な変動により生じるmotion artifact (光散乱) により光信号は消失してしまう。そこで今回, 膜電位に依存した光信号とmotion artifactの光学的な識別を, 異なる波長の光強度を比較することにより実験的に検討した。興奮収縮連関により, 活動電位と収縮により生じるmotion artifactの対応付けが容易な心筋活動電位を光学的に計測した。コイより摘出した心臓を膜電位感受性色素 (Nile Blue A)溶液で染色し, 色素を低出力He-Neレーザー (0.5mW) を用いて...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 11; no. 2; pp. 9 - 15
Main Authors 宮崎, 保光, 佐藤, 智夫, 口脇, 博治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本レーザー医学会 1990
日本レーザー医学会
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ISSN0288-6200
1881-1639
DOI10.2530/jslsm1980.11.2_9

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Summary:intactな大脳皮質や心臓における活動電位の光学的計測では光信号は微弱であり, 計測部位の位置的な変動により生じるmotion artifact (光散乱) により光信号は消失してしまう。そこで今回, 膜電位に依存した光信号とmotion artifactの光学的な識別を, 異なる波長の光強度を比較することにより実験的に検討した。興奮収縮連関により, 活動電位と収縮により生じるmotion artifactの対応付けが容易な心筋活動電位を光学的に計測した。コイより摘出した心臓を膜電位感受性色素 (Nile Blue A)溶液で染色し, 色素を低出力He-Neレーザー (0.5mW) を用いて励起した。この色素より生じる蛍光放射は膜電位が脱分極することにより増加する。色素より生じる蛍光放射と心表面より生じる励起光の反射を同時に記録した。活動電位により蛍光放射強度は約4%増加した。motion artifactが生じると, 反射光強度の経時変化に相似な蛍光放射強度変化が得られた。
ISSN:0288-6200
1881-1639
DOI:10.2530/jslsm1980.11.2_9