薬物代謝酵素CYP2C9およびビタミンKエポキシド還元酵素複合体1 VKORC1の高効率的な一塩基遺伝子多型解析法の開発

「緒言」1990年にThe International Human Genome Sequencing Consortiumによって開始されたヒトゲノムプロジェクトは2004年に完了し, 約30億塩基対のDNA配列を公開した. このプロジェクトを契機とした生命科学分野における研究の著しい進展により, 各個人におけるゲノム情報に基づいた医療への応用, すなわち個別化医療の推進が重要な課題となっている. 個別化医療の実施に向けて, 特に研究・開発が急速に進展している領域の1つにゲノム薬理学(ファーマコゲノミックス)と呼ばれる研究分野がある. ゲノム薬理学における個別化医療では, 各個人の薬物応答性...

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Published in医療薬学 Vol. 40; no. 7; pp. 402 - 408
Main Authors 林田, 真梨子, 木下, 健司, 大田, 智子, 小泉(岩尾), 恭子, 村田, 成範
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.07.2014
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.40.402

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Summary:「緒言」1990年にThe International Human Genome Sequencing Consortiumによって開始されたヒトゲノムプロジェクトは2004年に完了し, 約30億塩基対のDNA配列を公開した. このプロジェクトを契機とした生命科学分野における研究の著しい進展により, 各個人におけるゲノム情報に基づいた医療への応用, すなわち個別化医療の推進が重要な課題となっている. 個別化医療の実施に向けて, 特に研究・開発が急速に進展している領域の1つにゲノム薬理学(ファーマコゲノミックス)と呼ばれる研究分野がある. ゲノム薬理学における個別化医療では, 各個人の薬物応答性遺伝子多型等のゲノム情報に基づいて, 患者個々に対する医薬品の効果を最大限に高め, 副作用を最小限に抑えることを目的とする. 言い換えれば, ある薬剤を同じ用量・用法で投与しても, その薬剤に対する効果や副作用の現れ方が個人によって著しく異なることがある.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.40.402