持続音声における呼気流量の経時変化について

「はじめに」 音声を発している間, 音声の大きさ, 高さはどのように調節されているのであろうか. たとえば音声を発している時, 人は声の大きさ, 高さ, 呼気流量のうちいずれを一定に保っているのか, 聴覚はどれほど音声の制御に有効であるのかなど, 音声を機械的制御の側面から考察することは興味深い問題である. 今回我々は, 持続音の発声中における呼気流量や音声の大きさ及び高さが, 発声時の条件を変えることによりどのような変化を来すかについて実験を行った. 「対象と方法」 対象は24歳から49歳の健康成人で, 男性7人女性3人である. 実験は持続音“あー”を快適レベルで発声させ, その間の呼気流量...

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Published in喉頭 Vol. 9; no. 1; pp. 7 - 10
Main Authors 古川, 仭, 長山, 郁生, 石丸, 正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 1997
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ISSN0915-6127
2185-4696
DOI10.5426/larynx1989.9.1_7

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Summary:「はじめに」 音声を発している間, 音声の大きさ, 高さはどのように調節されているのであろうか. たとえば音声を発している時, 人は声の大きさ, 高さ, 呼気流量のうちいずれを一定に保っているのか, 聴覚はどれほど音声の制御に有効であるのかなど, 音声を機械的制御の側面から考察することは興味深い問題である. 今回我々は, 持続音の発声中における呼気流量や音声の大きさ及び高さが, 発声時の条件を変えることによりどのような変化を来すかについて実験を行った. 「対象と方法」 対象は24歳から49歳の健康成人で, 男性7人女性3人である. 実験は持続音“あー”を快適レベルで発声させ, その間の呼気流量, 音の大きさ, 周波数を5秒間計測するものである(写真). 実験に先立ち, 被験者に大きく息を吸い込んだ後, 持続音“あー”を発声させ, 快適レベル(被験者が楽に発声しているときの声の大きさ)の音の大きさを実感させこれを維持するよう練習を行った.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx1989.9.1_7