新人薬剤師のための実例処方せんを利用した調剤教育システムの構築と評価

[緒言] 医療事故の頻発あるいは医療の高度化, 多様化などの社会的背景が大きく変化する中で, 医療を担う一員として臨床薬剤業務に対応できる質の高い薬剤師の養成が社会から求められている. 平成18年4月から薬学教育に6年制が導入されたが, その中でも臨床における教育が重視され, 医療現場で行われる実践的な教育システムの整備が急がれている. 一方, 卒後教育においても, 既卒薬剤師に対してより実践的な教育システムの構築を目的としたさまざまな試みが各団体や施設において行われている1-4). しかし, 臨床薬剤業務に対応できる薬剤師を継続的に養成するためには, 卒後間もない新人薬剤師に対する教育システ...

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Published in医療薬学 Vol. 33; no. 1; pp. 78 - 86
Main Authors 樋坂, 章博, 長瀬, 幸恵, 中島, 克佳, 清野, 敏一, 丸山, 知恵美, 鈴木, 洋史, 伊賀, 立二, 杉浦, 宗敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2007
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.33.78

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Summary:[緒言] 医療事故の頻発あるいは医療の高度化, 多様化などの社会的背景が大きく変化する中で, 医療を担う一員として臨床薬剤業務に対応できる質の高い薬剤師の養成が社会から求められている. 平成18年4月から薬学教育に6年制が導入されたが, その中でも臨床における教育が重視され, 医療現場で行われる実践的な教育システムの整備が急がれている. 一方, 卒後教育においても, 既卒薬剤師に対してより実践的な教育システムの構築を目的としたさまざまな試みが各団体や施設において行われている1-4). しかし, 臨床薬剤業務に対応できる薬剤師を継続的に養成するためには, 卒後間もない新人薬剤師に対する教育システムの構築が必須であり, 特にすべての薬剤師業務の基礎となる調剤業務の習得を促す早期教育を充実させることが重要な課題と考えられる. 新人薬剤師は, 日常業務で遭遇する事例を経験することによって, さまざまな知識を得ていく. しかし, その際に実行される自己研鑽は個々の意欲と能力に依存した方法であり, 新人薬剤師に対する教育はシステム化が十分に進んでいないと考えられる.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.33.78