周期性好中球減少症にIgA腎症を合併した1女児例
周期性好中球減少症 (cyclic neutropenia) は, 約21日周期で末梢血の好中球減少をきたす疾患である。発生頻度には男女差はなく, 人口100万人に対し0.5~1症例といわれている。家族性 (常染色体優性遺伝) と孤発例がそれぞれ報告されており, 両者とも好中球エラスターゼをコードする遺伝子ELA2の異常により起こるとされている。 今回我々は生後1カ月で周期性好中球減少症と診断されていた女児が, 感染を機に血尿と蛋白尿を呈し, 腎生検によりIgA腎症と診断した症例を経験した。周期性好中球減少症に腎症の合併は稀であり, 顆粒球コロニー刺激因子 (G-CSF) の長期投与との関連性...
Saved in:
Published in | 日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 17; no. 2; pp. 142 - 145 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
2004
日本小児腎臓病学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0915-2245 1881-3933 |
DOI | 10.3165/jjpn.17.142 |
Cover
Summary: | 周期性好中球減少症 (cyclic neutropenia) は, 約21日周期で末梢血の好中球減少をきたす疾患である。発生頻度には男女差はなく, 人口100万人に対し0.5~1症例といわれている。家族性 (常染色体優性遺伝) と孤発例がそれぞれ報告されており, 両者とも好中球エラスターゼをコードする遺伝子ELA2の異常により起こるとされている。 今回我々は生後1カ月で周期性好中球減少症と診断されていた女児が, 感染を機に血尿と蛋白尿を呈し, 腎生検によりIgA腎症と診断した症例を経験した。周期性好中球減少症に腎症の合併は稀であり, 顆粒球コロニー刺激因子 (G-CSF) の長期投与との関連性も含めて報告する。 |
---|---|
ISSN: | 0915-2245 1881-3933 |
DOI: | 10.3165/jjpn.17.142 |