IPMNの悪性度診断と膵癌の診断における膵液中KL-6値測定の臨床的有用性

MUC1は癌の浸潤と関連し膵癌では高率に発現する.KL-6はMUC1上に発現するシアル化糖鎖抗原である.我々はIPMNの悪性度診断と膵癌の診断における膵液中KL-6値測定の有用性について検討した.膵液KL-6値(U/ml )は悪性IPMN群(670±894)と膵癌群(26±42)が良性IPMN群(5.2±3.4),コントロール群(4.3±2.3)と比較し有意に高値を示した.膵液KL-6値のcut-off値を20U/ml とすると悪性IPMNに対しては感度,特異度,正診率ともに100%であり,膵癌に対しては感度38%,特異度100%,正診率69%であった.膵液中KL-6値測定は膵液中CA15-3...

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Published in膵臓 Vol. 25; no. 2; pp. 105 - 108
Main Authors 大原, 行雄, 細川, 雅代, 伊藤, 英人, 木村, 宗士, 遠藤, 高夫, 中原, 生哉, 金戸, 宏行, 篠村, 恭久, 葭内, 史朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 2010
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ISSN0913-0071
1881-2805
DOI10.2958/suizo.25.105

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Summary:MUC1は癌の浸潤と関連し膵癌では高率に発現する.KL-6はMUC1上に発現するシアル化糖鎖抗原である.我々はIPMNの悪性度診断と膵癌の診断における膵液中KL-6値測定の有用性について検討した.膵液KL-6値(U/ml )は悪性IPMN群(670±894)と膵癌群(26±42)が良性IPMN群(5.2±3.4),コントロール群(4.3±2.3)と比較し有意に高値を示した.膵液KL-6値のcut-off値を20U/ml とすると悪性IPMNに対しては感度,特異度,正診率ともに100%であり,膵癌に対しては感度38%,特異度100%,正診率69%であった.膵液中KL-6値測定は膵液中CA15-3,CA19-9,CEA値測定と比較し悪性IPMNと膵癌の診断に優れていた.膵液中KL-6値測定はIPMNの悪性度診断と膵癌の診断に有用である可能性が示された.
ISSN:0913-0071
1881-2805
DOI:10.2958/suizo.25.105