薬学部におけるバイタルサイン教育を取り入れた早期体験学習の評価

「緒言」 医療の高度化と多様化が進むなかで, 医療現場に即した高い専門性を有する薬剤師の育成が社会的ニーズとなっている. 本邦では2006年より薬学教育6年制がスタートし, 日本薬学会「薬学教育モデル・コアカリキュラム」に準じて, 各大学で新しいカリキュラムが考案され, その1つとして早期体験学習が導入された. 早期体験学習は, 入学後の早い時期に薬剤師の活躍する保険薬局, 製薬会社および病院などを見学・体験することにより, 薬学生の学習に対するモチベーションを高め, 患者を中心とした医療や福祉を早い段階で身近に感じ取ることを目的としている. 早期体験学習の多くは, 薬剤師やその他の医療従事者...

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Published in医療薬学 Vol. 38; no. 6; pp. 339 - 349
Main Authors 林, 雅彦, 横山, 聡, 西村, 嘉洋, 大井, 一弥, 垣東, 英史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.06.2012
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.38.339

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Summary:「緒言」 医療の高度化と多様化が進むなかで, 医療現場に即した高い専門性を有する薬剤師の育成が社会的ニーズとなっている. 本邦では2006年より薬学教育6年制がスタートし, 日本薬学会「薬学教育モデル・コアカリキュラム」に準じて, 各大学で新しいカリキュラムが考案され, その1つとして早期体験学習が導入された. 早期体験学習は, 入学後の早い時期に薬剤師の活躍する保険薬局, 製薬会社および病院などを見学・体験することにより, 薬学生の学習に対するモチベーションを高め, 患者を中心とした医療や福祉を早い段階で身近に感じ取ることを目的としている. 早期体験学習の多くは, 薬剤師やその他の医療従事者が行う業務を見学するいわゆる見学型実習であるが, 現在では模擬体験型の実習を取り入れることで学生の学習に対するモチベーションを高めて, 教育効果の向上を図る試みがなされている1~4). 近年, 患者中心のチーム医療の必要性が急速に高まっていることから, 薬学教育の中でも特に医療薬学教育が担うべき役割は, 医療チームの一員として患者を治すマインドを有し, 主治医とともに薬物治療を実践する能力に長けた薬剤師を養成することにあると考える.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.38.339