当施設における双胎妊娠の羊水検査の合併症リスク

近年の生殖補助医療の普及により双胎妊娠は増加してきたが,単一胚移植の推奨などにより,本邦の双胎出生数は全出生の約1.0%程度を占めている.一方で,双胎妊娠は単胎妊娠に比べ染色体異常の割合が増加するといわれており,出生前遺伝学的検査の重要性は増している.双胎妊娠における羊水検査の合併症は欧米諸国では1〜4%程度と報告されているが,本邦における報告はない.よって,当施設で施行した双胎妊娠の羊水検査のうち,少なくとも穿刺後2週まで経過を追えた87例を後方視的に検討した.施行週数は中央値が妊娠17週,膜性は二絨毛膜双胎が55.2%であった.穿刺後2週間以内で破水症例を1例のみ認めたが,1児または両児と...

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Published in日本周産期・新生児医学会雑誌 Vol. 56; no. 3; pp. 432 - 436
Main Authors 佐々木, 愛子, 池袋, 真, 舟木, 哲, 西山, 深雪, 嘉村, 駿佑, 小澤, 伸晃, 小野寺, 洋平, 赤石, 理奈, 和田, 誠司, 左合, 治彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本周産期・新生児医学会 2020
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ISSN1348-964X
2435-4996
DOI10.34456/jjspnm.56.3_432

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Summary:近年の生殖補助医療の普及により双胎妊娠は増加してきたが,単一胚移植の推奨などにより,本邦の双胎出生数は全出生の約1.0%程度を占めている.一方で,双胎妊娠は単胎妊娠に比べ染色体異常の割合が増加するといわれており,出生前遺伝学的検査の重要性は増している.双胎妊娠における羊水検査の合併症は欧米諸国では1〜4%程度と報告されているが,本邦における報告はない.よって,当施設で施行した双胎妊娠の羊水検査のうち,少なくとも穿刺後2週まで経過を追えた87例を後方視的に検討した.施行週数は中央値が妊娠17週,膜性は二絨毛膜双胎が55.2%であった.穿刺後2週間以内で破水症例を1例のみ認めたが,1児または両児ともに子宮内胎児死亡,子宮内感染となった症例は認めなかった.また32週未満の早産は認めなかった.双胎妊娠における羊水検査は習熟した施設で実施した場合,安全に実施可能であることが示唆された.
ISSN:1348-964X
2435-4996
DOI:10.34456/jjspnm.56.3_432