CYP2C19遺伝子多型別にみたクロピドグレルの薬効に対する各PPIの影響
「緒言」低用量アスピリンとチエノピリジン誘導体による抗血小板療法は, 経皮的経血管的冠動脈形成術(percutaneous coronary intervention:PCI)後の心血管系イベント抑制のために推奨される薬物療法である1). チエノピリジン誘導体薬物はP2Y12受容体に対するadenosine diphosphate(ADP)による血小板凝集を抑制することで血小板凝集抑制効果を示す薬剤であるが, チエノピリジン誘導体薬物の1つであるクロピドグレルは, シトクロムP450(CYP)2C19により代謝され活性代謝物となることで血小板凝集抑制効果を示すプロドラッグである. そのため,...
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Published in | 医療薬学 Vol. 37; no. 8; pp. 481 - 485 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
2011
日本医療薬学会 |
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Summary: | 「緒言」低用量アスピリンとチエノピリジン誘導体による抗血小板療法は, 経皮的経血管的冠動脈形成術(percutaneous coronary intervention:PCI)後の心血管系イベント抑制のために推奨される薬物療法である1). チエノピリジン誘導体薬物はP2Y12受容体に対するadenosine diphosphate(ADP)による血小板凝集を抑制することで血小板凝集抑制効果を示す薬剤であるが, チエノピリジン誘導体薬物の1つであるクロピドグレルは, シトクロムP450(CYP)2C19により代謝され活性代謝物となることで血小板凝集抑制効果を示すプロドラッグである. そのため, CYP2C19機能欠損遺伝子保持患者ではクロピドグレルの活性代謝物の生成が減少し, 血小板凝集能が充分に抑制されずステント血栓症を始めとした主要心血管系イベントの発症リスクが増大することが報告されている2). そのことから, 血小板凝集能を低下させることは心血管系イベント抑制において重要であると考えられる. また, 抗血小板薬服用時には消化管出血リスクが増加することから, プロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibiters:PPIs)を併用することが少なくない. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.37.481 |