生食用食肉の規格基準の考え方

「目的」2011年4月に発生した焼き肉チェーン店での生牛肉(ユッケ)による腸管出血性大腸菌による食中毒事件が発生し5名の死者が出た. これまで生食用食肉の安全性確保については, 平成10年に生食用食肉の衛生基準「生食用食肉等の安全性確保について」(平成10年9月11日付け生衛発第1358号. 以下「衛生基準通知」という)を示し, 都道府県等を通じて事業者における適切な衛生管理を指導してきたが, 衛生基準通知に強制力がなく十分に遵守されていなかった中で, この事件が発生した. そのため, 生食用食肉の規格基準が必要と判断され, 2011年9月12日に厚生労働省告示第321号として公布され, 10...

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Published in日本食品微生物学会雑誌 Vol. 29; no. 2; pp. 98 - 100
Main Authors 山本, 茂貴, 春日, 文子, 五十君, 靜信, 岡田, 由美子, 百瀬, 愛佳, 朝倉, 宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本食品微生物学会 2012
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Summary:「目的」2011年4月に発生した焼き肉チェーン店での生牛肉(ユッケ)による腸管出血性大腸菌による食中毒事件が発生し5名の死者が出た. これまで生食用食肉の安全性確保については, 平成10年に生食用食肉の衛生基準「生食用食肉等の安全性確保について」(平成10年9月11日付け生衛発第1358号. 以下「衛生基準通知」という)を示し, 都道府県等を通じて事業者における適切な衛生管理を指導してきたが, 衛生基準通知に強制力がなく十分に遵守されていなかった中で, この事件が発生した. そのため, 生食用食肉の規格基準が必要と判断され, 2011年9月12日に厚生労働省告示第321号として公布され, 10月1日に施行された. その際の根拠となる考え方およびデータを示す. 「方法」規格基準設定においては, 衛生基準通知に設定されているもののうち, ウシおよびウマの食肉を対象として危害評価を行い, 規格基準設定の考え方をコーデックス委員会の「微生物リスク管理(Microbiological Risk Management)の実施に関する原則及びガイドライン」(CAC/GL 63-2007)及び「食品中の微生物基準の設定と適用に関する原則」(CAC/GL 21-1997)に沿って検討した.
ISSN:1340-8267
1882-5982
DOI:10.5803/jsfm.29.98